キャリアアップ助成金とは

　キャリアアップ助成金は「事業主が実践的訓練をして助成金を受給できる制度」のことです。まずはキャリアアップ助成金を申請する上で重要となる用語の解説をしたいと思います。

ジョブカード

　ジョブカードとは、キャリアアップ助成金に関する職務経歴書のようなものです。ジョブカードには、様式１～様式４と４種類あるのですが、様式１は履歴書、様式２は職務経歴書、様式３は今後の目標、様式４は成績通知表のようなものです。
　要は有期雇用社員の方の過去と現在はどうなのか？将来的にはどういう姿を目指しているのか？訓練を受けて、その方はどのようになったのか？を記入する形といえるでしょう。具体的な書式は厚生労働省のHPより無料でダウンロードできます。

有期実習型訓練とは

　有期実習型訓練とは、厚生労働省によれば『企業現場における実習（ＯＪＴ）と企業ニーズに 即した座学等（Ｏｆｆ－ＪＴ）を組み合わせた実践的な訓練』のことです。
　「有期」とは具体的には「３ヶ月以上～６ヶ月以内」という期間があるということです。また「実習型」とはOJT（現場の研修）とOFF-JT（座学での研修など）を組み合わせることで現場での活きた教育を目指すという狙いがあるようです。
　人材育成に積極的な企業であることのPRが可能となり、優秀な人材の確保ができるということです。

有期実習訓練の「有期」とは

　有期実習訓練の「有期」とは、本当に正社員レベルにするには、どの位の時間がかかるのか？を基準に考えると良いでしょう。つまり、教育の量・質・内容など教育内容によって訓練期間を設定するという訳です。
　そもそも訓練時間は６ヶ月当り４２５時間以上、つまり３ヶ月訓練の場合には最低でも２１２．５時間以上となります。訓練期間は１時間８００円の支援がある訳ですから、１７万円！結構な金額です。

OJTとOff-JTとは

　OJTは「現場」での実践訓練のことで、OffJTは「現場以外」での教育訓練ですね。OffJTはさらに「座学」（知識の取得）と「実技」（技術の取得）に分かれます。猫の手も借りたい、少しでも労働力を補いたいという事業所はどうしてもOJTに偏りがちになると思いますが、キャリアアップ助成金の場合はOJTとOffJTの割合の要件として「90％：10％」～「10％：90％」と定められており、最低でも10％はOffJTを実施しなければならないということになります。

もらえる助成金の金額

次にもらえる助成金の金額についてです。

人材育成コースの助成金額

　キャリアアップ助成金の人材育成コースでは、OffJTの場合、賃金助成が１人１時間当り800円となります。（ただし大企業は500円です）
　その他経費助成として１人10万円を上限に助成されます。（ただし大企業は7万円）
　OJTの場合は実施助成として１人１時間当り800円です。（企業は700円）
　多くの訓練を実施すれば結構な金額が助成されることとなりますが、１年度１事業所当りの支給限度額は500万円となりますので、その点には注意が必要です。

助成金額シミュレーション

　キャリアアップ助成金の人材育成コースにおいて、３名に対して、425時間の訓練を実施し、外部研修に10万円使用した場合、助成される金額はどれ位になるのでしょうか？
　（425時間×3名×＠800円）+100,000＝1,120,000円
　１００万円を超えるので、すごい金額ですね！小規模事業持続化補助金の満額を軽く超えます。しかも正社員に転換すればさらに助成額が大幅アップ!! もちろん「助成金ありき」では何の意味ありませんが、それにしてもすごいインパクトです。

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