法人と個人ではどちらがお得??
法人と個人での違い
法人と個人では、以下のような違いがあります。
個人事業 | 法人 | |
---|---|---|
事業開始手続 | ◯ | ✖️ |
設立費用 | ◯ | ✖️ |
節税対策 | ✖️ | ◯ |
資金調達 | △ | ◯ |
社会的信用 | ✖️ | ◯ |
代表者が負う責任 | ✖️ | ◯ |
事業開始後の事務 | ◯ | ✖️ |
事業承継 | ✖️ | ◯ |
事業開始手続
個人事業
個人事業の場合は、税務署に個人事業の開業届書を提出するだけで個人事業を開始することができます。したがって、開業手続きは非常に簡易な手続で行うことができます。
法人
法人の場合は、法律に基づき所定の手続きを実施しなければ設立することができないため、日数や手間が多くかかります。
法人設立手続きについての詳細は以下をご覧ください。
>>会社設立手続きについて
会社設立費用
個人事業
個人事業の場合会社設立費用が掛かりません。資本金等も準備する必要がないため、1円もかけることなく事業を開始することができます。
法人
法人を設立する場合には、登録免許税や定款認証手数料等の費用がかかります。約25万円〜30万円程度が目安となります。
また、法人を設立する際には、資本金を準備する必要があります。現在は資本金を1円から設立することができるようになりました。しかし、会社の社会的信用力を担保するという意味で、ある程度の資本金を積んでおくことをお勧めしております。
節税対策
個人事業
個人事業は、節税対策が難しくなります。所得が低い場合は、税率が5%と非常に低い税率が課されるので、個人事業の方が有利となります。しかし、所得が高くなると税率が40%にまで上昇します。そのような場合に、所得を下げるための措置が講じにくいのが個人事業です。
法人
法人は、個人事業に比べて節税対策を講じやすいという特徴があります。また、最高税率も30%であるため、所得が大きくなった場合には、法人形態をとったほうが有利です。
個人事業と法人で、税務上の取り扱いが違う項目については以下にまとめてあります。ぜひご確認下さい。
>>個人と法人での税務上の取扱の違いについて
資金調達
個人事業
個人事業の場合は、社会的な信用力が低いため、法人に比べて金融機関からの融資を受けることが難しいと言われています。また、株式を発行することができないため、他人から資本を受け入れることによる資金調達を行うことができません。さらに、助成金などの国からの補助金も株式会社に比べて申請できる項目が少なくなっています。
法人
法人の場合、株式を発行して資金調達をすることができます。また、個人事業に比べて、社会的な信用力が高いため金融機関からの融資を比較的受けやすいという特徴があります。ただし、資本金が1円しかないような場合は、社会的な信用力が低いと判断され、個人事業と同様に金融機関からの融資を受けることが難しくなります。社会的信用力を担保するという意味でも、資本金の額はある程度の水準まで高めておくことが必要です。
社会的信用
個人事業
個人事業の場合、社会的信用力が低いと判断されることがあります。例えば、個人事業の業者とは、新規の取引をすることができない大企業などがあります。そのため、取引のチャンスを逃すといった事例もあることに注意が必要です。
法人
法人の場合は、社会的な信用力が高いといえます。個人に比べて決算もしっかりと行っており、社会保険等も完備されているためです。融資を受ける際や、新規に取引を始める際、また人材採用の際に個人事業と比較して有利に働くことがあります。
事業開始後の手続
個人事業
個人事業の場合、会計帳簿への記帳業務も簡易的であり、手続きを行う時間と学ぶ時間があれば独自で確定申告まで完了することができます。また、従業員が少ないうちは、社会保険の加入義務もないため、比較的事務負担は軽いといえます。
法人
法人の場合、会計帳簿への記帳業務や決算業務、税務申告業務が複雑になるため、税理士へ依頼するのが必須となります。また、社会保険への加入義務が生じるため、個人事業に比べて事務負担が大きくなります。
代表者が負う責任の範囲
個人事業
個人事業の場合、個人と事業が一体となっていると考えます。そのため、事業で負った責任はすべて個人にまで及ぶことになります。したがって、責任の範囲は法人に比べ広いと言えます。
法人
法人の場合、個人と法人は別物であると考えます。そのため、事業で負った責任を個人が負担することにはなりません。したがって、責任の範囲は個人事業に比べて限定的なものとなります。ただし、個人も出資した資本金の範囲内で責任を負うことにはなる点に注意が必要です。
事業承継
個人事業
個人事業の場合は、事業と個人の区別がないため、事業承継を行う際には、すべての資産について名義変更手続きが必要となり、非常に多くの手間を要する。
法人
法人の場合は、法人と個人が明確に分離されているので、法人の代表者の変更や株式を譲渡するだけでするだけで事業承継をすることができるため比較的容易に事業承継をすることができる。
結論
どのような事業を行うかによって、個人と法人でどちらが有利になるかという結論は異なります。そのため、専門家の判断を仰ぐのが望ましいといえます。
一般的な見解として述べるのであれば、最初は個人事業でスタートして、事業が軌道に乗り、所得が大きくなった時点で法人へ移行するという方法をとるのが安全であるといえます。
ただし、将来確実に法人化することが見込まれているような場合には、国への許認可を取り直したりする手間や費用が節約することができるため、いきなり法人化することも検討するべきでしょう。
上田洋平税理士事務所では、「個人」と「法人」はどちらがお得?という問題についても随時無料相談を行っています。
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