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キャリアアップ助成金の受給要件Part2

キャリアアップ助成金を受給するためには

助成金の申請・受給条件は、

1.事業主(企業・個人事業主)が満たしていなければならないもの
2.対象となる従業員が満たしていなければならないもの
の2つに分類され、

「1」と「2」を2つともクリアできている会社(法人、個人事業主)が、
助成金の申請・受給の権利を得ることができるというものです。

キャリアアップ助成金を獲得するための最後の条件

今回は上記条件の最後となる、
キャリアアップ助成金の
「正社員化コース」⇒「有期→正規」 の
「対象となる事業主(企業・個人事業主)の申請条件の
重要箇所を抜粋し、解説して参ります。

ご案内の15ページ。

大前提として「有期契約労働者を正規雇用にする場合」であり
次に記載するすべてに該当する事業主が対象です。

(下段、「…」 の後に解説を入れていきます)

1.有期契約労働者を正規雇用労働者に転換する制度※1を労働協約または就業規則その他これに準じるもの※2に規定している事業主※3であること

・正社員に転換するときは、面接や適性・筆記試験等を実施すること。
・対象従業員の条件や試験を希望するときの要件や基準が定められていること。
・それを従業員に周知されていること。
・それらが就業規則に記載(正社員転換化制度)され、従業員に周知されていることが必要です。

※転換化制度の規定例は、案内の21ページに記載されているので必ず参照してください。

2.上記「1」の制度の規定に基づき、雇用する有期契約労働者を正規雇用労働者に転換した事業主であること

この助成金のルール(正社員転換化制度)に従ってパート社員や有期契約の社員を正社員にした事業主であることが必要です。

3.上記「2」により転換された労働者を、転換後6か月以上の期間継続して雇用し、当該労働者に対して 転換後6か月分の賃金を支給した事業主であること。

正社員にしたらすぐに助成金をもらえる訳ではないのでご注意下さい。
パート社員などの期間が最低でも半年以上、正社員になってからの期間が6カ月間必要です。

※正社員になってから6ヵ月目の給料を全部支給して、初めて支給申請ができます。

ここで以下の点についても注意が必要です。

①有期契約社員の6か月間の期間も含め勤怠、賃金台帳、給与明細の管理ができていること
②残業代の割増率の基準を満たしていること
③支給申請ができるのは、6ヵ月目の賃金全てを支払ってから2カ月以内と期間が短いこと
④支給申請の時点で対象の従業員が在籍していること(もしも退職していたら支給申請できません)

4.支給申請日において当該制度を継続して運用している事業主であること。

キャリアアップ助成金の支給を申請する時点において、正社員転換化制度が廃止されていないことが必要です。

5.転換前の基本給より5%以上昇給させた事業主であること

今年4月からの改定で、このコースも5%アップが適用されます。
正社員化後の給与を、それ以前の有期契約社員時代よりも5%上げなければなりません。

雇用状態で5%アップの計算方法が4つのケースに分かれています。
案内の20ページに計算式が記載されています。

6.当該転換日の前日から起算して6か月前の日から1年を経過する日までの間に、当該転換を行った適用事業所において、雇用保険被保険者を解雇等事業主の都合により離職させた事業主以外の者であること。

正社員になる前の有期契約社員の6か月間、正社員後の6か月間の合計1年の期間中、雇用保険に加入している従業員を会社都合で解雇していないこと。
但し、天災等やむを得ない事由による場合を除きます。

7.正規雇用労働者に転換した日以降の期間について、当該者を雇用保険被保険者として適用させている事業主であること

対象従業員について、正社員になった後、雇用保険に加入し続けていることが必要です。

8.正規雇用労働者に転換した日以降の期間について、当該者を社会保険の被保険者として適用させている事業主であること

対象従業員について、正社員になった後、社会保険に加入していること
(社会保険の適用事業所の要件を満たす事業所に雇用されている場合)

以上、
このコースの助成金の申請条件の重要項目の抜粋でした。

キャリアアップ助成金の受給条件についてのまとめ

初めて助成金の申請をするときには、

先述の諸条件が非常に高いハードルと感じたり、
案内や要領を読めば読むほどちんぷんかんぷんに
なって当たり前だと思います。

実際、多くの会社はそこで諦めています。

しかし、
キャリアアップ助成金に関して言えば、
該当する従業員がいるのであれば、
「苦労をしてでも取り組むに値する助成金」
である、と弊社では認識しています。

会社の中の整備が整わないまま、
労基法に定められていることを満たさぬまま、
会社を運営していくか、

助成金を活用しながら、
頑張って会社の中を整備して、
会社を良くしていこう、
と取り組んでいくか、

当然ながら、
後者の方が人材は集まり、
定着率も良くなっていくのだろうと思います。

ここ数年、
助成金の数はその前の時期と比べて、
30%以上増えた状態が続いています。

政府や自治体が、
2020年東京オリンピックまでの好景気の波を、
上手く使って、
正規雇用者を増やし、
雇用の安定に力をいれている、
ことが見て取れます。

と言うことは、
3年後には助成金の数が、
ここ数年に比べ一気に減ってしまう、
数年前の状態に戻ってしまう、
ことが十分に考えられます。

キャリアアップ助成金も、
2020年にはなくなっているだろう、
と弊社では思っています。

ゆえ、
正社員が必要、或いは、
正社員にする予定の有期契約社員がいるならば、
会社をよくするためにも、
キャリアアップ助成金がある
今のうちに上手く活用した方がお得、と感じます。

今、
キャリアアップ助成金に取り組んでおけば、
①キャリアアップ以外の助成金を含めた
助成金共通の申請条件の基礎を築ける。
②助成金に取り組んだ経験ももてる。
これは非常に大きな一歩です。

そうなれば、
3年後に助成金の数が、
ぐっと減っても、
厳しい申請条件の助成金の割合が増えても、
土台ができているので、
狙える助成金の数がむしろ増えている、
そういう強い会社になっています。

不思議と楽しくなってきませんか?

さて、
次回はキャリアアップ助成金に関する最終章として、

キャリアアップ助成金の
「正社員化コース」⇒「有期→正規」 に取り組む場合に、

何から始めればよいのか、
どのタイミングで何をしなければならないのか、
「申請から支給されるまでの全体の流れ」
についてみていきます。

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